Plasticbags Scenery
Plasticbags Sceneryは中島尚志(Takashi Nakashima)のビニール袋作品のポートフォリオサイトです
CONCEPT
どうしてビニール袋を描くのか
“ビニール袋(ポリ袋)”は私たちの生活の中に溢れています。
何かを入れて持ち運んだり、ゴミを捨てる時に使ったり、何より買い物をすれば付いてくることが今までのスタンダードでした。
普通、当たり前のことは無関心に変わっていきます。
人々の生活に寄り添ってきたビニール袋は、やがて“何でもないモノ”になりました。
私はそんな “ビニール袋(何でもないモノ)” に “日常” を投影して作品を作っています。
忙しい現代において人々の日常は見過ごされがちです。
日々流れてくる情報は濁流のようで、感情の置き所も曖昧になり、自分も他人もぞんざいにして消費してしまう。“何でもないモノ”が世界には沢山あるように思います。
けれど本当は、想像力を持って周りを見渡せば、“何でもないモノ”なんて一つも無いのだと気づきます。
ある日見たのは、ビニール袋が木枯しに吹かれて宙に舞う姿でした。
夜の街頭のスポットライトを浴びて、地面から飛び上がっては落下を繰り返す様は、ダンスを踊っているようで確かに格好良かったのです。
そんな何でもないと思われているモノが実は格好良くて、可愛くて、素敵なモノなのだと。
ビニール袋を主人公にして描くことで示し、生活に寄り添っていくことを旨としています。
またもう一つの側面として。
日本で1970年ごろから使われ始めたビニール袋は、近年ポイ捨てによる環境問題、野生動物保護の観点から世界的に問題視されています。
日本でも2020年、誕生から約50年経った今有料化が進み、状況が変化してきました。
“何でもないモノ”はある視点からすると“悪いイメージのモノ”に変わりました。
ビニール袋をモチーフに据える作家として、彼らの動向と変化を追い記録し観察していこうと思います。
中島尚志/Takashi Nakashima